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選挙無き政権交代 マレーシアで覆される有権者の選択

2022年11月19日に実施された選挙後の激しい交渉の末、同年11月24日にアンワル・イブラヒム(Anwar Ibrahim)がマレーシア首相に就任した。このアンワルの任命は、その連立政党以外にも、様々な政党の議員から過半数の支持の獲得に成功し、政治上、重要な出来事となった。

だが、この選挙から2年が経った今、アンワル「統一」政府と、この国の選挙の清廉性に対する最大の懸念事項は、連立与党が1つ、あるいは、複数の構成政党の支持の取消によって解散する可能性だ。つまり、立法期間中に、(単に個々の議員というより)政党が、ある連合から別の連合に政治的支持を変更するのを防ぐ強力な措置が無いため、政権崩壊のリスクがある。

なお、2022年に導入された政党くら替え禁止法(Anti-Party Hopping Law)は、議員個人の政党のくら替えを防止する法律だが、政党そのものはこの要件の適用外となる。こうした法律の隙には、新たな選挙を要さない政権交代を招く可能性がある。

選挙の安全対策が確立されず、このような政治的操作が防げないため、マレーシアでは、政党くら替えによる政権交代を確実に避けようと、さらに大きな政治連合形成の道も開かれつつある。しかし、大きな連合には、多党制選挙の本質と、有権者が投票で示した政治的意思を損ねる可能性がある。次期総選挙の準備期間にマレーシアが直面するのは、このような選挙の清廉性に対するリスクだ。

May, 2024, Anwar Ibrahim, Prime Minister of Malaysia, at the Prime Minister’s Office. Wikipedia Commons

2018年選挙で選出された政府の転覆

だが、マレーシア政治では、政党や連立からの離脱は定期的に見られるもので、政治家が一つの党や陣営から、別の党や陣営に忠誠心を変える戦略だ。特に、不安定な時代や、政治家が権力維持を望む際、この行為は、政治家が政治構造の中で立場や影響力を確保するのに役立つ場合が多い。[1] だが、州レベルでは、離党や「くら替え」が、これまでに8つの政権の崩壊をもたらした。[2] これに対し、国家レベルでは、政治家による頻繁な党の変更が連立の構成や、様々な選挙の得票差を変える原因となった。[3]だが、1955年総選挙以来、同盟党(the Alliance Party)連合と、後続する国民戦線(the Barisan Nasional: BN)連合率いる政府に、党のくら替えが危機をもたらした例は一度もない。

だが、2020年にこの事態を一変させたのが、2018年総選挙の2年後に起きた「シェラトンの変(Sheraton Move)」[4]という党のくら替えだ。この結果、統一マレー国民組織(UMNO)率いるBN連合は敗北した。さらに、この「変」は政情不安を招き、この2年では、市民に投票が求められる事すらなく、首相と政権を構成する政党が入れ替わった。

2018年総選挙の準備期間には、BN連合に対する最大野党の希望連盟(Pakatan Haprapan: PH)連合が、UMNOを離れ、マレーシア統一プリブミ党(the Malaysian United Indigenous Party/ BERSATU)に加わったマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)前首相の支持を獲得した。[5] こうして、BERSATUを擁したPHは、UMNO・BN連合に勝利し、代議院(the Dewan Rakyat/下院)の222議席中、113議席を取り、かろうじて過半数を獲得した。[6] だが、この連立政権樹立の鍵となった条件に、マハティールが首相に就任しても、2年後にPHの第一党、人民正義党(the People’s Justice Party /PKR)のアンワル・イブラヒム(Anwar Ibrahim)に権力を譲るという同意があった。[7]

それにもかかわらず、選挙の2年後、首相の座をアンワルに譲るべき時に、マハティール首相が引退を渋ったため、連立政権は継承計画に関する意見の取りまとめに四苦八苦した。[8]同時に、一部のBERSATU党員がマハティールのリーダーシップや、PHとの連合、アンワルへの継承計画に反対し、同党は内部分裂にも直面した。むしろ、反対派の党員は、汎マレーシア・イスラーム党(the Malaysian Islamic Party: PAS)や、その他の小政党との新たな連立形成を訴えた。[9]このような展開の末、BERSATUはPHを離脱し、2020年2月には、国民同盟(the Perikatan Nasional : PN)連合が結成された。[10]

PN連合の形成を招いた「党のくら替え」は、以来、「シェラトンの変」と呼ばれ、国家レベルで政権転覆を成し遂げた初めての例となった。その後、PN連合の構成各党は、マハティールも、アンワルも退け、BERSATU出身のムヒディン・ヤシン(Muhyiddin Yassin)を首相に支持した。さらに、PN連合は、2018年選挙以来、野党であったBN連合の支持も獲得した。[11]

だが、この政界再編にもかかわらず、連立与党は国会内でかろうじて過半数を保持していた。[12]2021年半ばには、指導部の構成や、新型コロナウィルス政策の取り組みに不満を抱いたUMNOが、ムヒディン首相の支持を撤回し、連立内に緊張が高まった。そして、この信頼の危機が2021年8月のムヒディン辞任を招き、2018年選挙以来、2度目の政権交代となった。[13]

Taman Sejahtera polling centre, Election Day, 9 November 2022. Wikipedia Commons

政党くら替え禁止選挙改革

「シェラトンの変」は、PN設立と、後のムヒディン・ヤシンと、イスマイル・サブリ・ヤコブ(Ismail Sabri Yaakob)両首相時代の政情不安を招き、連立内の議員・政党間で忠誠心を変更するリスクを浮き彫りにした。実に、この出来事は4年間で3人の首相が入れ替わる事態を招いたのだ。また、この事件から、離反がいかに政党に対する忠誠心を損ね、有権者の当初の意図を裏切るかも明らかになった。

現在も継続する政情不安の見込みから、2022年総選挙を目前に、国会議員は一連の選挙改革の実施を促された。これらの改革の中に、2022年憲法(修正条項)(第三号)(the Constitution (Amendment) (No. 3) Act 2022)[14]通称、政党くら替え禁止法(the Anti-Party Hopping Law: AHL)がある。これは選出された議員が、任期中に政党間を入れ替わる事を防ぐための法律だ。なお、AHLでは、自身の政党から離脱し、別の政党に加わる議員に罰則が科される。また、この場合、離党する議員の席は空席にされ、その議員を引き続き支持するか、代わりを選ぶかを有権者が決められるよう、補欠選挙が行われる。ちなみに、この改正では、党首に追放された議員の議席は守られ、議席を保有したまま、別の党に加わる事ができる。

こうして、長年に及んだ政治的混乱の後、市民の政治に対する信頼回復の手段としてAHLが推進された。この法律には、国会議員に選出された人物に、政治的立場や、政党への忠誠心の変更を思い止まらせる狙いがある。また、この取り組みは、離反を促す大きな要因と見られる金権政治対策と、汚職対策を特に重視する事で、選挙の清廉性を守ろうとする。[15]

ただし、AHLは連合単位では適用されず、政党が別の連合に加盟や変更をしても、何の影響も受けずに済む。結果的に、「シェラトンの変」はAHLの正当化に利用されたものの、この出来事は同法では阻止できなかったはずだ。なぜなら、この「変」は、単に個人の議員が政党の「くら替え」をしたというより、党単位での支持の変更に関する事件だったからだ。さらに、党の幹部が忠誠心や連合の変更について、選出された党員の同意を得る必要もなく、一方的に政治的決断を下す事態はAHLでは防げない。[16]

したがって、離党や、忠誠心の変更を防止する制度が無い限り、政治的な裏切りの脅威は、2022年総選挙で勝利を収めたアンワル政府にとって重大な懸念であり続けるだろう。

September 2023, participants in the rally expressed dissatisfaction with the government led by Anwar. Photo: Wikipedia Commons

アンワル統一政府の脅威

人民正義党(PKR)率いる希望連盟(PH)連合は、2022年総選挙で勝利を収めたが、その得票率の大部分は、PH・国民戦線(BN)・国民同盟(PN)の3主要連合の間で分割されていた。この結果、どの連合も国会での過半数を占めるには至らなかった。そこで、複数回に及ぶ激しい交渉の末、PH、BNと、サワラク州を拠点とするサワラク政党連合(Gabungan Parti Sarawak: GPS)との間で、アンワル率いる「統一」政府の樹立という妥協案が成立した。[17]ちなみに、PHとBNが長年の間、激しく対立する政敵同士だった事から、これは歴史的な交渉となった。

ところが、それから2年後、2024年の後半には、アンワル政権に内部分裂の兆しが生じ始めた。そして、AHLには新たな「シェラトン」型の変に対応できる条項が限られていたため、この問題が幾つかの理由から、前面に押し出された。

1つ目の理由は、くら替えの可能性に関する無数の噂や憶測がソーシャルメディア上に出現し、不信感が蔓延していたからである。さらに、PH・BN与党連合は2023年の早期政権打倒を公然と呼びかけるPN連合の第一党、PASからの攻撃にも直面した。[18]そして、2023年1月には、UMNOのアフマド・ザヒド・ハミディ(Ahmad Zahid Hamidi)総裁の追放に関する噂が流れた。これは、「ロンドンの変(London Move)」と呼ばれていて、PH・BN連合を揺るがし、統一政府の解体さえ狙った可能性がある。[19]

さらに、2024年初頭には、「ドバイの変(Dubai Move)」についての憶測が飛び交うようになった。これは、特定の議員をそそのかし、PH・BN統一連合からの造反と、PNが指名した首相候補の支持を促そうとした動きだ。[20]しかも、この戦略では、議員が政党を変わる必要が無く、PN支持にまわった議員がAHLによって処罰される事はない。また、PNが一つの政党全体の支持を獲得できた場合にも、同じ状況が当てはまる。

結局、この2つの「変」は実現しなかったが、これにより、裏切りの可能性が一般的な懸念事項となったマレーシアの政治情勢の厄介な潮流が浮き彫りとなった。

2つ目の理由は、人種・宗教・王室に関する政策をめぐる政府内の政党間対立により、議員や政党が与党連合への支持を捨て、与党連合が崩壊する可能性があるからである。さらに、アンワル政権は、マレー人の利益を代弁し、民主行動党(the Democratic Action Party: DAP)との協力関係回復に腐心するUMNOの指導者と議員[21]による内輪もめにも直面した。[22]なお、DAPは、主にマレーシア華人の利益を代弁し、マレーシア政治の人種・宗教・王室に関する支配的ナラティブに異議を唱える政党として知られている。この緊張をさらに高めたのが、マレー人有権者からの支持を得たPASで、同党は、アンワルがDAPの要望に応じる一方で、イスラーム教徒や、マレー人社会に関する問題を軽視していると批判する。[23]

このように、潜在的な政治的危機の兆しが浮上する中、アンワル政権は、政治的優位を保つため、AHLの改正と強化に関する議論を開始した。これには、連合メンバーの忠誠心の変更による政権転覆を防ぐ狙いがあった。この時、2022年の改正を導いた当初の議論から、様々な提案が再浮上した。例えば、PKRは「リコール・レメディ」の導入を提案したが、これは所属政党を変更したり、責任を果たせなかった選出議員に対し、有権者に行動を起こす力を与えるという案だ。[24] さらに、PKRは、各自の政党から追放された議員に対する議席明け渡しの義務化など、より厳しい措置[25]も提唱した。

こうして、政府は、AHLの改正を審議する用意がある事を示唆したが[26]、それには国会の過半数票が必要なため、今後どうなるかは不明なままだ。

このため、アンワルの仕事は、AHL改正に向けた支持集めに止まらなかった。2027年11月までに予定された次期総選挙を見据え、アンワルは、PH連合内外の様々な政党からの支持強化に積極的に取り組んでいる。

この例には、BERSATU党員の支持を求め、同党の野党勢力としての立場を弱めつつも[27]、UMNOとの今後の連携維持を目指す戦略などがある。[28]また、アンワルは、ボルネオ島の伝統的な政治機構にも関与している。さらに、アンワルは、マレー系ムスリムの利益を適切に代弁できるのかとの非難を受け、マレー系ムスリム有権者の主要地区を率いるPASから支持を得る道を模索し、政府の立場強化も試みてきた。[29]

もし、これらの対立した利害関係者の間に妥協点が見出され、権力分有に成功すれば、次期選挙は、より力強く、より安定した、転覆しにくい政府を生み出せるだろう。

The Malysian Parliament building in Kuala Lumpur. Photo: Jaggat Rashidi, Shutterstock

結論

これが2022年総選挙から2年後の現在のマレーシア政治情勢だ。この国が次期総選挙を迎えようとする中、強力な政党くら替え禁止法が施行できない任期後半のアンワルの取り組みは、安定をもたらす包括的な統治体制の構築が焦点となる。

だが、その成功と引き換えに、マレーシアの多党制民主主義は大きな代償を払うことになるだろう。すでに、アンワル率いるPH-BN統一政府の樹立は、以前の野党の特徴であった進歩的で民主主義に沿った政治姿勢に反すると批判されている。[30]

結果、このアプローチには、マレーシア政治における正当な反対意見を希薄にし、この国の多党制民主主義の質を著しく損ねる危険性がある。

Lina Sakina Salim, Asia Centre

NOTES

[1] Hershan @ Ray Herman, Muhammad Izwan Ikhsan and Ku Mohd Amir Aizat Ku Yusof (2023) ‘Navigating Party Loyalty and Party Hopping in Malaysia Through Nordin Salleh and Khaliq Mehtab’s Cases’, Malaysian Journal of Social Sciences and Humanities 8(10): 1–10, at: https://doi.org/10.47405/mjssh.v8i10.257.

[2] Shad Saleem Faruqi (2024) ‘Loopholes in Malaysia’s anti-defection law’, Fulcrum, at: https://fulcrum.sg/loopholes-in-malaysias-anti-defection-law.

[3] Ibid.

[4] The name “Sheraton Move” refers to the agreement made at Sheraton Hotel in the city of Petaling Jaya, Selangor to form the Perikatan Nasional (PN) coalition.

[5] Wan Saiful Wan Jan (2020) Why Did BERSATU Leave Pakatan Harapan?, Singapore: ISEAS – Yusof Ishak Institute.

[6] Inter-parliamentary Union (2018) ‘Malaysia: Dewan Rakyat (House of Representatives)’, Inter-parliamentary Union, at: http://archive.ipu.org/parline/reports/2197_e.htm.

[7] The Straits Times (2018) ‘PM Mahathir says he will honour agreement to hand power to Anwar after two years’, The Straits Time, at: https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/pm-mahathir-says-he-will-honour-agreement-to-hand-power-to-anwar-after-two-years.

[8] Sophie Lemière (2020) ‘The never-ending political game of Malaysia’s Mahathir Mohamad’, Brookings Institute, at: https://www.brookings.edu/articles/the-never-ending-political-game-of-malaysias-mahathir-mohamad.

[9] Ibid.

[10] Mohd Irwan Syazli Saidin (2023) ‘Malaysia’s Crisis of Political Legitimacy: Understanding the 2020 Power Transition and “Sheraton Move” Polemics Through the “Eyes” of Malaysian Political Science Graduates, Cogent Social Sciences, 9:1, 2222572, at: DOI: 10.1080/23311886.2023.2222572.

[11] Sophie Lemière (2021) ‘Is Muhyiddin unstoppable?’, Center for Strategic & International Studies, at: https://www.csis.org/analysis/muhyiddin-unstoppable.

[12] Ibid.

[13] Ayman Falak Medina (2021) ‘Malaysian Prime Minister resigns, deepening political crisis’, ASEAN Briefing, at: https://www.aseanbriefing.com/news/malaysian-prime-minister-resigns-deepening-political-crisis.

[14] “DR 15/2022 Constitution (Amendment) (No.3) Bill 2022” (2022), Democratic Action Party, at: https://dapmalaysia.org/repository/DR15%202022_Amendment%20in%20Committee%20Constitutional%20Amendment%20Anti%20Hopping%20Law_ENG.pdf.

[15] Shad Saleem Faruqi (2024) ‘Commentary: Loopholes in Malaysia’s anti-defection law’.

[16] Ibid.

[17] Amir Yusof and Najmi Syahiran Mamat (2022) ‘Anwar to lead unity government comprising PH, BN and GPS; keeps door open for other partners’, Channel News Asia, at: https://www.channelnewsasia.com/asia/malaysia-ge15-anwar-ibrahim-pm-press-conference-unity-government-vote-confidence-3098681.

[18] Channel News Asia (2023) ‘PAS chief’s remarks on toppling Anwar government stirs controversy, police probe under way’, Channel News Asia, at: https://www.channelnewsasia.com/asia/malaysia-pas-abdul-hadi-topple-government-investigation-police-controversy-3339351.

[19] Faiz Zainudin (2023) ‘Ismail denies involvement in plot to oust Zahid’, Free Malaysia Today, at: https://www.freemalaysiatoday.com/category/nation/2023/01/04/ismail-denies-involvement-in-plot-to-oust-zahid; Aqil Haziq Mahmud (2024) ‘Malaysia gripped in wave of denials, accusations over alleged “Dubai Move” plot to topple Anwar govt’, Channel News Asia, at: https://www.channelnewsasia.com/asia/malaysia-dubai-move-anwar-topple-government-4025001.

[20] James Chai (2024) ‘Commentary: Malaysia’s “Dubai Move” was doomed to fail – it misunderstood Sarawak’s GPS coalition’, Channel News Asia, at: https://www.channelnewsasia.com/commentary/malaysia-dubai-move-topple-anwar-sarawak-borneo-4073746.

[21] MalaysiaNow (2024) ‘Two-thirds majority, but Anwar’s coalition is a house of cards, says Mahathir’, MalaysiaNow, at: https://www.malaysianow.com/news/2024/09/25/two-thirds-majority-but-anwars-coalition-is-a-house-of-cards-says-mahathir.

[22] Tajuddin Rasdi (2024) ‘Is there a political “sandiwara” between Umno and DAP?’, Free Malaysia Today, at: https://www.freemalaysiatoday.com/category/opinion/2024/10/18/is-there-a-political-sandiwara-between-umno-and-dap.

[23] Ibid.

[24] Bernama (2024) ‘Amendment to anti-party hopping law requires thorough bipartisan discussion, agreement – Azalina’, Bernama, at: https://bernama.com/en/news.php?id=2317809.

[25] Ibid.

[26] Ibid.

[27] Azril Annuar (2024) ‘PM Anwar makes play for PAS support to woo Malaysia’s Malay majority’, The Straits Times, at: https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/pm-anwar-makes-play-for-pas-support-to-boost-backing-from-malaysia-s-malay-majority,

[28] Lu Wei Hoong (2024) ‘UMNO chief Zahid wants alliance with PM Anwar to continue, but some dream big after by-election win’, The Straits Times, at: https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/umno-chief-zahid-wants-continued-alliance-with-pm-anwar-but-some-dream-big-after-by-election-win.

[29] Annuar (2024) ‘PM Anwar makes play for PAS support’.

[30] Han Jun Lim (2024) ‘Why Malaysian voters and civil society are turning on Anwar Ibrahim’, East Asia Forum, at: https://eastasiaforum.org/2024/08/28/why-malaysian-voters-and-civil-society-are-turning-on-anwar-ibrahim.

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